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活用事例

公立富岡総合病院

電子カルテ端末から最新の医薬品情報を取得、迅速な医療提供と院内サービスの質的向上へ

公立富岡総合病院は2006年8月に、院内の医薬品情報管理システムを刷新。各電子カルテ端末から、イントラネット 上にある薬剤部のホームページを経由して、院内採用・未採用薬を含む最新の医薬品情報データを参照できる仕組みを整えた。新システムに移行してからは、 DI業務の効率化や院内サービスの改善などの面で、DIシステムの利用者である医師をはじめ、薬剤師などが導入の効果を実感し始めている。

利用する側と運用管理する側、双方からの改善要望を反映

病院長の柴山勝太郎氏
病院長の柴山勝太郎氏

群馬県富岡市に、公立富岡総合病院が設立されたのは、1990年。同院では設立時期から、医療現場のIT化に本格的に取り組み始めた。1990年のオーダリングシステム導入を皮切りに、2002年には電子カルテシステムを立ち上げた。

IT化と並行して1997年からは、院内の7病棟に薬剤師を常駐させる体制を整えた。群馬県下では初の試みだったという。同院は2007年4月実績で職員数610人、うち医師61名だが、勤務する薬剤師の数は23人と、同規模の病院に比べても若干多めだという。

「病棟業務とDI(医薬品情報提供)業務の充実は、医療の質的向上には欠かせない。特にDI業務については、薬剤部が、信頼できる的確な情報を一元的に提供する情報ハブもしくはセンターとしての役割を担うことが期待されている」と、病院長の柴山勝太郎氏は話す。

院内には院長の考え方を踏まえ、医薬品情報の提供業務を支援するDIシステムの整備を段階的に進めた。

薬剤部長の萩原正和氏
薬剤部長の萩原正和氏

当初のDIシステムは、薬剤師はもとより、医師や看護師、コメディカルなどが必要な医薬品情報を、使い慣れた電子カルテ端末上からワンストップで参照できたことが特徴だった。電子化された院内採用医薬品集として、端末上に医薬品の添付文書が「50音順」および「薬効順」に表示される。たとえば、新しく医師が赴任する場合に、『富岡総合病院では、降圧薬は何を採用しているか』などを、即座に薬効順で調べることができるまでのシステムを構築した。

「医師がその場で自ら端末を操作し、たとえば投薬後の薬物動態や血中濃度などを瞬時に調べられれば、看護師などを介して薬剤部にわざわざ問い合わせる必要がなく、すぐに治療に取り掛かれる。こうした環境づくりが、医療の質の改善にも好影響を及ぼしてはいた」と薬剤部長の萩原正和氏は、当時のシステム構築のある程度の効果を振り返る。

だが一方で、未採用薬の添付文書はイントラネットから閲覧することができず、製薬会社の学術に問い合わせていたり、インターネット端末で医薬品医療機器情報提供HPから情報を得たりするなど、一部分では未成熟な部分を残していた。

薬剤部主任の齊田悟司氏
薬剤部主任の齊田悟司氏

薬剤部でもDIシステムの管理負担が大きくなっていた。採用薬に追加・変更があったとき、または添付文書が改訂された際、医薬品データベースを更新する作業は基本的に手作業であった。データベースの更新は原則、毎日必要であり、DI業務の担当者が交代で行っていた。

「50音順だけでなく薬効順で検索結果を表示できる点は当時のシステムの長所だったが、メンテナンスの際には、ひとつの医薬品につき、50音順と薬効順のふたつのデータベースを更新しなければならず、相当な労力がかかっていた」と薬剤部主任の齊田悟司氏は振り返る。そのほか、薬剤鑑別のシステムも従来はスタンドアロン型の端末に、年4回配布される更新データを逐次、手動でインストールする形式だったので作業が煩雑なことと、加えて、データの鮮度にも問題があった。

このような課題を抱えていたため、当時のDIシステムは運用を進めていくするうちに、利用する側と運用管理する側、双方から改善を求める声が強まってきた。これを受けて薬剤部では、2005年冬頃から新たな医薬品情報システムづくりを模索するようになった。

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未採用薬を含めた医療用医薬品の最新の添付文書が参照可能に

薬剤部では、新DIシステムの導入に先立って、システムの利用者側である医師、看護師、薬剤師を対象にアンケート調査を実施した。その結果、新システムへの希望として、以下のような項目が洗い出された。

まず、従来システムからそのまま引き継いでほしい機能は、「イントラネット上から50音順および薬効順の医薬品集として参照できること」「オーダリングのDI表示機能で添付文書を参照できること」という2つの項目だった。

加えて、新たに取り入れたい機能としては、「未採用薬を含めた医療用医薬品の最新の添付文書の参照」「一般名検索」「キーワード検索」「薬剤画像の参照」「院内製剤解説の検索と参照」「薬価の参照」「電子カルテ端末での薬剤鑑別」の7項目があがった。

あわせて、システムの運用管理側である薬剤部でも、新システムについての必要な要件を抽出した。

薬剤部の吉橋光代氏
薬剤部の吉橋光代氏

選定にあたった薬剤部の吉橋光代氏は、「セキュリティ確保は大前提。外部からのコンピューター・ウイルスなどの浸入、電子カルテからの患者情報の流出などのセキュリティ・レベルの低下が懸念されたため、医薬品情報などをダウンロードするインターネット端末と、院内のイントラネット端末をオフラインでもデータ更新できる点は必須だった。その上で、ダウンロードしたデータを、電子カルテ端末で柔軟に表示できるカスタマイズ機能の有無や使い勝手がポイントになった」という。

上記、双方の要望・希望要件を踏まえつつ、医薬品情報システムが電子カルテに及ぼす影響、セキュリティ対策など、約20にのぼる項目について、4 社のパッケージ・システム製品を比較検討。利用者側、運用管理者側の要件をほぼすべて満たしていたことが決め手となり、最終的に選択したのが、日本ユースウェアシステムが開発した「JUS D.I.」だった。

懸案だったセキュリティの確保については、フラッシュメモリを用いてウイルスチェックを行った上で、データを更新するシステム構成にすることで解決した。そして、院内の各電子カルテ端末からは、イントラネットサーバに設けられた薬剤部のホームページを経由して、JUS D.I.のデータをシームレスに参照できる形を実現した。

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DIシステムの利用者や管理者双方がメリットを体感

2006年8月に新システムに移行してからは、通常採用、院外限定採用、院内限定採用、仮採用、暫定採用、科限定採用などの約1500品目にのぼる採用医薬品と、未採用薬についての情報も調べることができるようになった。

導入後のアクセス件数も、右肩上がりに増加している。2007年3月にはついに、4000回/月以上のログイン回数を突破した。その内訳をみると薬剤師が 4割を占め、ほかに医師や看護師、さらに医事課の診療報酬請求担当の事務職員など幅広い職種が利用している。「添付文書はオーダリングのDI表示機能で参照することも可能だが、この操作の回数は、ログイン回数に含まれないので、JUS.D.I.サーバーへのアクセス数は4000回/月をはるかに超えているはず」(吉橋氏)という。

当初、サーバーへの同時アクセス件数の増加にともなうシステム障害も不安視されたが、運用開始後は特にトラブルもなく、順調に稼動している。

JUS D.I.のインターフェース(検索)画面
JUS D.I.のインターフェース(検索)画面

利用者側の反応も上々のようだ。販売名による検索は、販売名の1文字以上10文字以下を入力すると、該当薬品名が表示される。目的の薬品名の横のPDFマークをクリックすると添付文書が表示される。

「抗生物質や後発(ジェネリック)医薬品などは一般名での検索が多いですが、キーワード検索を使うことで、販売名と区別が付かない場合や曖昧な場合でも、どちらでも検索できるので効率的になった」(齊田氏)。また、詳細検索機能で、添付文書の特定の項目にキーワードを入力することで、関連する薬剤のリストを短時間で作成できるようになった。たとえば、禁忌に『牛乳アレルギーのある患者』と記されている場合には、『項目:禁忌、キーワード:牛乳』のように検索すると、該当する薬剤が表示される。

さらに、薬剤画像を閲覧できるため、患者が端末画面上の錠剤やカプセルの写真を見ながら「そろそろこの薬が無くなりそうです」といったやりとりができるようになり、患者と医師が円滑にコミュニケーションをとれるようにもなっているという。

加えて、患者が持ち込んだ薬剤の鑑別時間が短縮し、即座に医師の指示を仰げるようになった点にも評価が高い。病棟薬剤師による入院時持参薬の確認や、鑑別結果のカルテレポートへの入力時間も短縮した。「休日などで病棟薬剤師がいない場合でも、看護師が直接端末を操作し、入院患者の内服薬を調べるなどが可能になった。鑑別に関するDIへの問い合わせ件数も減少している」(吉橋氏)という。

管理面では、まず薬剤部における添付文書の更新作業が簡素化された。最新データのダウンロードから院内データベース更新までの一連の作業は、10分程度で終了する。

このような更新作業の煩雑さの解消や、業務効率化が進んだことで、薬剤部では本来専念したかった患者向けの資料作成や、服薬指導を含む病棟でのヘルプワークなど、院内サービスの向上にかかわる業務により多くの時間を割けるようになった。

資料作成では、インタビューフォーム、同意書、問診表など従来関係部署に散在していた紙媒体の文書を電子化し、添付文書にリンクされることで、必要なときにはプリントアウトして手渡せるようにしている。

「患者や医師、職員にとって数値では表せない大きなメリットを生んでいる」と萩原薬剤部長も、JUS D.I.に太鼓判を押す。

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将来的には医事会計やオーダリング、在庫管理システムとの連携も視野

しかし、薬剤部では現状に甘んじることなく、さらなるシステムの改良などを計画している。「JUS D.I.システムが、医薬品マスターDBを持てるようになれば、すべての医薬品データが一元管理できる。実現されれば持参薬の鑑別、登録、薬歴管理、服薬 業務などが大幅に効率化されると考えられる。また、コードの統一や各種設定が必要になるが、将来的にはJUS D.I.サーバーと、医事会計やオーダリング、在庫管理など他のシステムとの連携を図っていきたい」と齊田氏は語る。 また、現行のシステムは、薬効別分類が日本標準商品分類番号に基づいている。だが現場ではもっと細かい作用機序など、薬理作用に基づく分類で検索したいとの要望があり、開 発元や販売元とさらに協議を重ねている。さらに、各製薬会社で作成している薬のしおりについてもダウンロードし、添付文書にリンクさせることも検討を進め ている。

※このコンテンツは、日経メディカルオンライン「医療とIT」に掲載(2007年7月10日)された記事から転載したものです。日経BP社に転載許可をいただいております。

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公立富岡総合病院
病院概要
名称:
公立富岡総合病院
住所:
群馬県富岡市富岡2073-1
Webサイト:
http://www7.wind.ne.jp/tomihp/
システム開発・導入:
日本ユースウェアシステム(東京・品川)
総販売元:
スズケン

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